「あやかし症候群」

bibuko / 初音ミク (sm11068663、sm12519295)

『 』は振り出し上等のみ。

***

『今宵も終わらぬ宴なら
 咲いてみせましょ 艶(つや)かしく
 転げた賽の目は朱(あけ)の色
 祭はとこしえ 振り出し上等』

其処行く貴方
随分とお憑かれのご様子で
うつせみの世は
さぞかし息が詰まりましょう

もしもお暇が
あるのならばちと寄っといで
厄を落としましょ
ささ此方へおいでなし

常の闇が世界を
黒く染める丑三つ時に
あやかしく咲き誇る
花は何処(いずこ)へ散りゆく

化けて化かして化かされて
宴は終わりを知らぬまま
誰も彼も燥(はしゃ)ぐ今宵は
酔いどれて夢心地

兎も狐も黒猫も
あやかしまやかしかどわかし
もし踊り疲れたらお熱い
お茶でもおひとつどうぞ

暮れ六つ時には
ふと人恋しくなるものでしょう
貴方の席は
もう此方に御座います

路はいつでも
ほら其処に続いて御座います
うつし世忘れて
舞いましょう いついつまでも

かくり世の最果てで
響く歌声は艶(あで)やかに
明けることの無い世を
千の光で彩る

魅せて魅せつけ魅せられて
心も身体も為(な)すがまま
盃が乾かぬうちに
誘われて艶(つや)語り

鴉も狸も稀人(まれびと)も
痴(し)れ事賭け事祭り事
まだ夢を見たいならわたしの
お膝でお眠りなさい

何故だか貴方を見ていると
わたしの胸の辺りが
段々と熱をおびて来る様で
苦しいのです

医者も薬も氷枕も
効かぬこの不治の病
貴方の其の手でどうか
癒しておくれなし

惚れて愛して愛されて
咲いては煌(きら)めく恋花火
貴方とならば何処までも
この命果てるまで

兎も狐も黒猫も
あやかしまやかしかどわかし
もし踊り疲れたらお熱い
お茶でもおひとつどうぞ

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※初版は削除されたので見られません。

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