「ノイズキャンセラー」

ハウチュ / 初音ミク (sm10756847)

***

カバンにしのばせた
イヤフォン耳に当てて
液晶の画面に映るプレイリスト
雑音遮断(ノイズキャンセル)

回る世の中に
狂い始めた私
同僚の人が言った
「夢なんてありません」

電車での帰りに聴いた
輝いた音楽(せかい)に
涙でぼやけた景色が
通り過ぎる

私だって追いかけた
夢の一つや二つを
片手に乗せ量る対象(物)は
現実の重さ

天秤(心)の測りが揺れ
膝をついた私には
振り切って落ちた夢と
現実が待っていた

今も拾えない
部屋の片隅に
後ろ髪掴まれて
乗り込んだ満員電車

人を避けミュージックプレイヤー
流すのが習慣
人の目を 雑音(音)を避け
瞼とじ逃げた

錆びかけた天秤は
まだ今も何か量ろうと
今更だと怖気づいて
音楽(世界)に身を任す

眩し過ぎた音楽(世界)に
揺れ動いた天秤は
もう一度 もう一度だけ
私を揺れ動かす

きっともう遅いと乗せた
ずっとあきらめていた

私だって追いかけた
夢の一つや二つを
片手に乗せ量る対象(物)は
現実の重さ

ノイズの中の音楽(世界)に
逃げ込み動く天秤の
揺れる針を確かめるため
プレイリストを流す

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