「狼狽える心臓と群青市街に鳴り散かすサイレンが酷く煩かった」
Eight / 初音ミク （sm23091627）
＊＊＊
今日見た夢、
プラスチック製の僕の臓物
横目には
八つ裂きのボロ烏（からす）
掃いて捨てる
気持ちの悪い生命なら
初めから
居なければいいのにと零す
脈を打つ群青（ぐんじょう）色に
気圧されて泣きそうでも
目を開けて全て見据えるよ
サイレンは鳴る
「嘘ばっかり喚（わめ）くんだな」
心臓ははち切れそうさ
追いかけた、
脇目も振らず闇雲に
屋上には
揃えられた君の最期
吐いて棄てた
なけなしの愛はアスファルト
染み込んだら
悲しみの雨が降りしきる
傷口の橙（だいだい）色が
溢れ出してさ、止まらないの
歪んじゃった僕の手を伝ってく
群青（ぐんじょう）が泣く
「捨てないでよ」
「煩（うるさ）いなもう」
愛想は振り切れたんだ
嘘つきな君に贈る
最後のアイロニー
この癪（しゃく）に障（さわ）る
メトロノームに乗っけて
独りよがりな群青（ぐんじょう）の街、
この青さは要らないよもう
目を閉じて少し息をつく
サイレンは鳴る
「嘘ばっかり喚（わめ）くんだな」
ずっとずっと忘れないよ
深い青に沈んでくこの街を出る