「ハナイチモンメ」

くろずみP / VY1 (nm14222611)

***

惑いの集落月夜の時に 
風に交えた鬼の呼び声
命を賭した「はないちもんめ」
滅びの業に抗(あらが)うため

幼子は知らぬまま
七つ日に母に連れられ
鬼の前泣き叫ぶ
「人柱」語部(かたりべ)は謳う

あの子が欲しい
あの子じゃわからん
その子が欲しい
この子だけは・・・

繰り返す集落の風習
躊躇ってた母の嘆き
全て我が身可愛さ
戻らないあの子は鬼の元
静まってく時に呻(うめ)く
最後の声 母の名を ただ・・・

命を差し出し生き永らえて
思い返すはあの子との日々
後悔だけが蠢(うごめ)く夜に
映るまやかし あの子の笑み

その生は誰の為
その声は誰のおかげで
紡がれた刹那時
あといくつ差し出せばいいの

一つの罪と
一つの罰を
重ねて一つ
摘んだ思い

満月の陰引くあの日に
間違ってた思想朽ちて
業火と共に消え逝く
弔(とむら)いは遅すぎたあの子に
餞(はなむけ)た所業
たとえこの身が散る その時まで

繰り返す切なきあの日を
切り裂いて我は示す
狂気の行いだと
断ち切るは紡がれた過ち
あざ笑うの鬼の首を
奪いてただ・・・
残された終末の中で・・・嗚呼・・・

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